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ウォール街のランダム・ウォーカー/バートン・マルキール著
/日本経済新聞社/2,415円


プリンストン大学教授と大統領経済諮問委員会委員も務めた著者による投資の指南書。
実例も豊富だが、それ以上にアイロニーがたっぷり。
いまや第8版という息の長いベストセラー。
最新の版ではインターネット・バブルの崩壊や、エンロン、ワールド込むといった会計スキャンダルも取り上げられている。

多くのアメリカを代表する企業が会計操作を行い、企業利益を水増しさせ、しかもそれが野放しになっている。
著者はこれを「多くのアナリストに見られる基本的能力の欠如」と容赦がない。

バブルの悲喜劇についても歴史があることを教えてくれる。
これはもはや人間が生まれながらに背負っている業なのではないか、なんてことを考えさせられたりする。

2001年のインターネット業界(インターネット・バブル崩壊の直後)を皮肉ったジョークが紹介されている。

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<今週の投資アドバイス>
もし一年前、ノーテル株に1,000ドル投資したとすると、今日の価値は49ドル。
もし一年前、バドワイザー(同社の株ではなくビールそのもの)を1,000ドル買って飲み干し、
空き缶をリサイクル用にデポジットすれば、79ドル払い戻してもらえる。

私のアドバイスは……今すぐのめるだけビールを飲み始めなさい。
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最近、久しぶりに読み返してみたのだが、最初に読んだとき以上におもしろい。
ニヤニヤしながら投資を学べる良書でしょう。


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