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ユダヤ人大富豪の教え /本田健著
/大和書房/1,470円




一年ほど前、初めてこの本を手にとり、ページを繰って、衝撃を覚えた。
自分にとって、ひとつの収束点となったのが、この本、「ユダヤ人大富豪の教え」。

自分がこれまで抱いてきた数々の疑問、経験、考え、千々に乱れたそれらを一網打尽に引き寄せ、
つなぎ合わせてくれるような感覚を覚えたのは、記憶に新しい。

すらすらと読みやすい文体の中に、いくつもの深い知恵が見え隠れしているように思えるのは、
単なる錯覚ではないはずだ、と思う。

少々長くなるが、改めて私の心の琴線に触れた部分を抜粋する。

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「いいかね。良くこれを覚えておくといい。すべては自分がとった立場で決まる。
立場の違いで人生はまったく違ってしまう。立場さえ間違っていなければ、才能は自然と
開発されるようになっているものだ。

そして、君に知ってもらいたいのは、先進国では、誰もそれを他人に強制されるわけではなく、
自由に自分で決められるということだ。
つまり、金持ちか、貧乏かどちらかを自分で選択できるということだ」

「立場ですか??」

「世の中には、二通りの人間しかいない。自由な人と不自由な人だ。
自由人は、経済的、社会的、精神的に独立して、誰からの援助も指図も受けない。
その人個人が考えるとおりに人生を生きている。

不自由人は、経済的、社会的、精神的に誰かに依存している。だから、自分は誰なのか、
自分が何をやりたいのかも知らない。

いや、考えようとしていないといったほうが正確だろう。そして、自分の人生の問題を両親、
兄弟姉妹、結婚相手、政府、会社になんとかしてもらおうと考える。

自由人は毎日、自由、チャンス、豊かさ、楽しさ、与える喜び、感謝に満ちて生活している。
不自由人は、窮屈さ、徒労感、貧困、欠乏、競争、嫉妬、イライラ、不満、怒りなどを
感じながら生活している。どちらがいいかね?」

「もちろんそれは聞くまでもないじゃないですか?」

「じゃ、君は自由人の責任に耐えられるかな?自由人はその代償として、払わなければ
ならないこともあるんだよ。

それは、世間からの誤解、批判や内にある罪悪感などがそうだ。
そういうことを分かった上でも、金持ちになりたいかどうかだね。
人によっては、普通の人生を生きた方がよほど幸せだということもある」
(P.35〜36)
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本との出逢いは、人との出逢いに決して劣らず、大きな影響を人に与えるように感じる。
運命の出逢い(本との)、というものだってあってしかるべきだ、とすら思う。
もちろん相性もあるし、タイミングもある。
人によって、同じ本から感じ取るものも十人十色だ。

けれど、そうしたことを差し引いて考えてもなお、ぜひ読んで欲しいとおすすめしたいのが、
この本。大げさでなく、私の人生を大きく変えた、いや、大きく変えるであろうと確信できる本
なのです。


ばへっと
Jan. 9, 2005


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