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ばへっと特製、会社分析レポート
 〜8846 積和不動産株式会社 編(その2)


(続き)

さて、この企業グループとしては、積水ハウスの商品力、技術力に自信があるみたいね。
積水ハウスに家を建ててもらった方います?(笑)
こういう肌で感じる商品・サービスの質って大事だよね。

それはさておいても、積水ハウスの、世に評価される技術力、ブランド力を維持できて
初めて、積和不動産のビジネスも安泰でいられる。

逆にいえば、事業の根幹の部分を、親会社に依存してしまっているといえなくもない。

というわけで、積水ハウスグループ全体の業績に焦点を当てる必要が出てきたね。

これを評価するには、とりあえず、積水ハウスが作成する連結財務諸表を見るのが
てっとり早い。
直近の業績をグラフで表してみると、こんな感じ。

(単位:百万円)


H16/1期のROEは5.8%、株主資本比率は56.6%。

積和不動産単体と比べてみるとどうかな?
経営的には楽じゃないことが見て取れるよね。

積和不動産は親孝行な子どもか、
もしくは、「親に甘やかされてる温室育ちのお坊ちゃん」なのかもしれない。
ちょっと厳しすぎるかな?

で、いよいよ核心となるのがこのテーマ。
いわゆる子会社上場。

とにかく問題だなーと思うのが、積和不動産に投資するふつーの株主。
こういう人たちを、支配株主(親会社)に対して少数株主というんだけれど、
いくらパブリックな企業とはいえ、やっぱり支配権を握っている親会社の意向には
逆らえないんだよね。

こうなってくると、極端な話、親会社からの理不尽な要求があったとして、
それを拒否することはできないことになる。

たとえば、賃貸マンションの建築工事代金を高く設定するとかして、利益が
積和不動産から積水ハウスに流れるようなことだってできないわけじゃない。
あくまで極端な話だけれどもね。

これが子会社上場を、子会社の少数株主から見た場合の問題点なんだけれども、
こういう会社の株主にとって、最大のリスク要因は、「親会社」ということになる。
か弱い一般の株主は、いくら会社のビジネスを評価しようとも、親の意向ひとつに
振り回されてしまいかねないというわけ。

こういったことが、一見優れた会社に見えても、他社に支配される会社の場合、
株価もなかなか高値が付かない要因なのかもしれないね。

さて積和不動産、2004/09/09終値は1,220円。
日経金融新聞ベースの予想PERは26.1倍。

安くはないかな。ばへっと的に。


それにしても子会社上場、深いテーマだね。
勉強になりましたよ。特に今回は。
みなさん目のつけどころがよろしいようで……


では、会社分析はまだまだ受け付けていますよ。
(⇒こちらからどうぞ)

次回の分析レポートをお楽しみに。

チャオ!


(追伸)
あと、ちょっとだけ分析リクエストのルールを変更しますね。
複数の着眼点を持っていても、同一企業への重複投票は、最大3つということで……。
よろしくね。



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