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特製!会社分析レポート 02

さて今回は、以前から根強い人気(?)があった会社です。

株式会社シチエ。

いったいどんな会社なんですか?ばへっとこんな会社知りません。
そんなこんなで調べてみました。
というわけで、今回のばへっと分析レポートは、シチエさんでお送りします。どぞ

4724 シチエ 編

ばへっとはたいてい、実績から見ます。

H15/12期は、
ROE:12.8%
株主資本比率:78.7%

うーん、悪くないです。
ばへっと的には、興味を持った会社の実績をみて、これ以上突っ込んで
調べてみる価値があるか否かを判断してます。
そういう意味では潟Vチエ、興味ひかれますわ。

で、何をやっている会社なのかと。
「事業の内容」を読んでみると……

東京とその近郊で、ビデオ・CDのレンタル店舗『ウェアハウス』と、
ゲームセンター『アミューズメントパークウェアハウス』を展開していると。
HPを見れば、まあこの辺については、より視覚的にわかりますな。

ところでこの会社、HPで有価証券報告書をPDFで提供してくれてます。
こういう会社、ばへっと好みね。
EDINETは確かに便利なんだけれど、有報を一括して見たい場合や印刷する場合、実に不便。
というわけで、自社の有報をPDF形式でアップしてくれている会社はとても好きです。

さて、売上は……順調に伸びてますね。


(単位:百万円)

H11/12

H12/12

H13/12

H14/12

H15/12

売上高

9,383

9,729

9,781

9,946

10,636

経常利益

1,292

1,568

1,667

1,835

1,756

純利益

644

760

841

929

910

営業CF

 

1,983

1,741

1,837

2,170

投資CF

 

(1,210)

(1,035)

(2,361)

(3,125)

財務CF

 

(309)

(202)

(118)

(115)



ばへっとは、この売上推移に会社の勢いといったものを見たりします。

ん?売上は伸びているんだけれど、経常利益、純利益が前年を下回っていますね……
なんででしょ?

ということで、損益計算書をチェック!

前期に比べて賃借料や減価償却費、業務委託費、アルバイト給与が増えてました。
これら費用の増加が利益を食ってる。

その理由は?と思って、ひと通りながめてみると、
『アミューズメントパークウェアハウス』を市川に新規出店しているということが判明。

「販売実績」をながめてみると、前期比、ゲーム事業が突出した伸び(+28.7%)を
見せている。新規出店によるインパクトか。

ところがレンタル部門は総じて売上高減少傾向(△7.7%)にある。

損益計算書ではレンタル部門とアミューズメント部門の売上と原価を別々に
表記してくれているので、それぞれの収益性が見て取れる。
いい開示姿勢だね。好感。

で、それぞれの売上高と粗利益の推移を見てみるとこんな感じ。

(単位:百万円)
<レンタル事業>

 

H11/12

H12/12

H13/12

H14/12

H15/12

売上高

6,030

6,241

6,284

6,045

5,581

売上原価

2,862

2,787

2,807

2,598

2,377

粗利益

3,168

3,454

3,477

3,447

3,204

粗利率

52.5%

55.3%

55.3%

57.0%

57.4%


<アミューズメント事業>

 

H11/12

H12/12

H13/12

H14/12

H15/12

売上高

3,353

3,488

3,497

3,901

5,055

売上原価

1,140

1,203

1,185

1,311

1,806

粗利益

2,213

2,285

2,312

2,590

3,249

粗利率

66.0%

65.5%

66.1%

66.4%

64.3%


H15/12期は、アミューズメント事業の新店舗と新機種投入に多額の投資を
行っているんだね。

思うに、会社としては、メインの事業をレンタル・ビジネスから
アミューズメントパーク運営ビジネスへと、
徐々にシフトさせて来ているんじゃないですかね。
ということは、将来性を計るに、アミューズメント事業が大きなポイントになる。

同時に、キャッシュ・フロー計算書も見てみるよ。

営業キャッシュ・フロー(CF)は順調に伸びているんだけれども、
それ以上に増えているのが投資CFのマイナス。

さっきも書いたけど、H15/12期は大型店舗への投資、
『アミューズメントパークウェアハウス』市川店の建物取得や、
岩槻店・入谷店・草加店・市川店への(ゲーム機)新機種導入に、31億円超を投じている。

これが投資CFマイナスの主な要因。
この辺の店舗が旗艦店舗みたいね。

ゲーム機はリースではなく買取りを基本方針としているのが、この会社の
ウリである様子。
その方が、リースするよりも安上がりということで、価格を安く抑えることが
できるんだってさ。

で、不人気・陳腐化の機種は除却か売却とされる。
ここで毎年、それなりの除売却損が出ているけれども、きちんと最終利益を出せている
ところがえらいなーなんて思ったりしました。

投資を考えるなら、何度か遊びに行きたいところですかね。
会社の活気・息吹なんかを感じるためにね。
投資先を考える上で、実際に足を運ぶってのは、何よりも重要なことだと思うわけ。
実際に会社の提供するサービスを利用してみることって、とにかく重要。

ところで、気になる筆頭株主は馬場富雄氏(28.6%)。
2位株主は泣宴bドガー(16.9%)
⇒住所が馬場氏と同じ。
で、馬場重雄氏(2.0%)。馬場正信氏(1.4%)。
馬場一族支配の会社ですな。
しかし経営陣に馬場姓は見当たらず。

どういうつながりかはわからないけれども、代取社長と社外監査役2名、
いずれも公認会計士なんだね。
しかもいまは亡きアーサー・アンダーセン出身だ。
まあ堅実経営をされているところは、さすが会計士!なんて誇らしく思いますよ(笑)。

それとストックオプション制度あり。
潜在株式による希薄化効果1.1%程度。

この潜在株式調整後当期純利益というヤツは要注意ね。
いま、オプション保有者がその気になって権利を行使すれば、
その分、既存株主の持分が減少するということだから。

まあ、この会社の場合、少なくともいまのところは、さほど大きなインパクトが
あるわけではなさそうなので、「ふーん」なんて思っててくれればいいでしょうけれども。

退職給付会計には簡便法を採用。
自己都合要支給額の100%を引当計上。

所有権移転外ファイナンス・リース取引なし。
社債なし。借入金なし。

シンプルな財務内容でいいねえ。
有利子負債ゼロ。隠れた債務もなし。
いやー実にわかりやすい。堅実経営。

ゲーミング・ビジネス、レンタル・ビジネスの将来性は、投資する側としての
リスク・テイクの領域だけれども、少なくとも財務状況、過去の実績から見れば、
かなり好感が持てる会社だなーと思いました。

ところで気になる株価、2004年8月12日の終値は1,158円。
日経金融ベースの予想PERは12.4倍。

株価水準としては、ビジネスの将来性をどう判断するかによるわけだけれども、
少なくともばへっとの目から見れば、決して高くはないんじゃないかと。
そして要注目銘柄かなと。

さすがみなさん、目の付け所が違うね。
毎回ばへっと、勉強になりますよ。

というわけで、今回の会社分析レポート、長くなったけれども、
最後まで読んでくれてホントありがとね。
分析リクエスト、次もお待ちしていますよ。

チャオ。

ばへっと
Aug. 15, 2004
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