ばへっとはたいてい、実績から見ます。 H15/12期は、 ROE:12.8% 株主資本比率:78.7% うーん、悪くないです。 ばへっと的には、興味を持った会社の実績をみて、これ以上突っ込んで 調べてみる価値があるか否かを判断してます。 そういう意味では潟Vチエ、興味ひかれますわ。 で、何をやっている会社なのかと。 「事業の内容」を読んでみると…… 東京とその近郊で、ビデオ・CDのレンタル店舗『ウェアハウス』と、 ゲームセンター『アミューズメントパークウェアハウス』を展開していると。 HPを見れば、まあこの辺については、より視覚的にわかりますな。 ところでこの会社、HPで有価証券報告書をPDFで提供してくれてます。 こういう会社、ばへっと好みね。 EDINETは確かに便利なんだけれど、有報を一括して見たい場合や印刷する場合、実に不便。 というわけで、自社の有報をPDF形式でアップしてくれている会社はとても好きです。 さて、売上は……順調に伸びてますね。
ばへっとは、この売上推移に会社の勢いといったものを見たりします。 ん?売上は伸びているんだけれど、経常利益、純利益が前年を下回っていますね…… なんででしょ? ということで、損益計算書をチェック! 前期に比べて賃借料や減価償却費、業務委託費、アルバイト給与が増えてました。 これら費用の増加が利益を食ってる。 その理由は?と思って、ひと通りながめてみると、 『アミューズメントパークウェアハウス』を市川に新規出店しているということが判明。 「販売実績」をながめてみると、前期比、ゲーム事業が突出した伸び(+28.7%)を 見せている。新規出店によるインパクトか。 ところがレンタル部門は総じて売上高減少傾向(△7.7%)にある。 損益計算書ではレンタル部門とアミューズメント部門の売上と原価を別々に 表記してくれているので、それぞれの収益性が見て取れる。 いい開示姿勢だね。好感。 で、それぞれの売上高と粗利益の推移を見てみるとこんな感じ。 (単位:百万円) <レンタル事業>
<アミューズメント事業>
H15/12期は、アミューズメント事業の新店舗と新機種投入に多額の投資を 行っているんだね。 思うに、会社としては、メインの事業をレンタル・ビジネスから アミューズメントパーク運営ビジネスへと、 徐々にシフトさせて来ているんじゃないですかね。 ということは、将来性を計るに、アミューズメント事業が大きなポイントになる。 同時に、キャッシュ・フロー計算書も見てみるよ。 営業キャッシュ・フロー(CF)は順調に伸びているんだけれども、 それ以上に増えているのが投資CFのマイナス。 さっきも書いたけど、H15/12期は大型店舗への投資、 『アミューズメントパークウェアハウス』市川店の建物取得や、 岩槻店・入谷店・草加店・市川店への(ゲーム機)新機種導入に、31億円超を投じている。 これが投資CFマイナスの主な要因。 この辺の店舗が旗艦店舗みたいね。 ゲーム機はリースではなく買取りを基本方針としているのが、この会社の ウリである様子。 その方が、リースするよりも安上がりということで、価格を安く抑えることが できるんだってさ。 で、不人気・陳腐化の機種は除却か売却とされる。 ここで毎年、それなりの除売却損が出ているけれども、きちんと最終利益を出せている ところがえらいなーなんて思ったりしました。 投資を考えるなら、何度か遊びに行きたいところですかね。 会社の活気・息吹なんかを感じるためにね。 投資先を考える上で、実際に足を運ぶってのは、何よりも重要なことだと思うわけ。 実際に会社の提供するサービスを利用してみることって、とにかく重要。 ところで、気になる筆頭株主は馬場富雄氏(28.6%)。 2位株主は泣宴bドガー(16.9%) ⇒住所が馬場氏と同じ。 で、馬場重雄氏(2.0%)。馬場正信氏(1.4%)。 馬場一族支配の会社ですな。 しかし経営陣に馬場姓は見当たらず。 どういうつながりかはわからないけれども、代取社長と社外監査役2名、 いずれも公認会計士なんだね。 しかもいまは亡きアーサー・アンダーセン出身だ。 まあ堅実経営をされているところは、さすが会計士!なんて誇らしく思いますよ(笑)。 それとストックオプション制度あり。 潜在株式による希薄化効果1.1%程度。 この潜在株式調整後当期純利益というヤツは要注意ね。 いま、オプション保有者がその気になって権利を行使すれば、 その分、既存株主の持分が減少するということだから。 まあ、この会社の場合、少なくともいまのところは、さほど大きなインパクトが あるわけではなさそうなので、「ふーん」なんて思っててくれればいいでしょうけれども。 退職給付会計には簡便法を採用。 自己都合要支給額の100%を引当計上。 所有権移転外ファイナンス・リース取引なし。 社債なし。借入金なし。 シンプルな財務内容でいいねえ。 有利子負債ゼロ。隠れた債務もなし。 いやー実にわかりやすい。堅実経営。 ゲーミング・ビジネス、レンタル・ビジネスの将来性は、投資する側としての リスク・テイクの領域だけれども、少なくとも財務状況、過去の実績から見れば、 かなり好感が持てる会社だなーと思いました。 ところで気になる株価、2004年8月12日の終値は1,158円。 日経金融ベースの予想PERは12.4倍。 株価水準としては、ビジネスの将来性をどう判断するかによるわけだけれども、 少なくともばへっとの目から見れば、決して高くはないんじゃないかと。 そして要注目銘柄かなと。 さすがみなさん、目の付け所が違うね。 毎回ばへっと、勉強になりますよ。 というわけで、今回の会社分析レポート、長くなったけれども、 最後まで読んでくれてホントありがとね。 分析リクエスト、次もお待ちしていますよ。 チャオ。 ばへっと Aug. 15, 2004 |
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まぁそんなことは改めていうまでもないことですけれどもね!