トップ > ミニ・セミナー『投資の心理学

『決算書投資術』発売のお知らせ 〜出版記念、ミニセミナー〜


ばへっとの本(デビュー作!)が出版されることとなりました。

タイトルは『決算書投資術』。

総合法令出版より、9月22日に発売されます。

アマゾンにて予約受付中!ですよ。
http://tinyurl.com/79axc ← クリックしてぜひ!

今回は、自著『決算書投資術』からひとつテーマを取り上げて、ミニセミナーと
しゃれ込みたいなと思います。


テーマは「投資の心理学」です。


次の設問に、直感的に答えてみてください。


質問は二つです。

次の状況を、イメージしてください。


第一問。

あなたには次の2つの選択肢が与えられています。
今あなたは、どちらかひとつを選ばなければなりません。どちらを選びますか?

A:8万円を確実にもらう。

B:賭けを実行する。その場合、85%の確率で10万円もらえるが、15%の確率で、
  何ももらえない可能性がある。

答えは出ましたか?

くり返しますが,直観的に答えて下さい。

よろしいですか?では次に進んで下さい。


第二問です。

さらに、あなたには次の2つの選択肢が与えられています。

あなたは、どちらかひとつを選ばなければなりません。どちらを選びますか?

C:8万円を確実に支払う。

D:賭けを実行する。その場合、85%の確率で10万円損するが、15%の確率で
  1銭も払わなくてよい可能性がある



さて、いかがだったでしょうか?



これを、学生を対象に実際に実験してみた結果をご紹介しましょう。

過去に行われた実験の結果、被験者の多くは次のように答えました。



第一問の場合、多かった答えは・・・

A(8万円を確実にもらう)



第二問の場合、多数を占めたのは・・・

D(賭けを実行する。すなわち85%の確率で10万円支払わねばならなくなるが、
15%の確率で、1銭も支払わずに済む可能性がある)



ところで、これを数学的思考を用いて、合理的に考えてみるとどうなるでしょうか?



第一問の場合の期待値は、Aが8万円、Bが8万5千円と、Bが高いことになります。


第二問の場合の期待値は、Cがマイナス8万円、Dがマイナス8万5千円と、どちらかといえば
Cが高いと、そういうことになります。


確率を考えれば、得することになる選択肢は明らかですよね。


ところが実際には、第一問ではA(8万円を確実にもらう方)を、
第二問ではD(賭けを実行する不確実な方)を、多くの人々が選好しました・・・



なぜこのような結果が出たのでしょうか?



私たちは心理的に、不確実な利益よりも、確実な利益の方を好みます。

そして同じ金額であれば、もらえる喜びよりも損する不快感のほうが大きいのです。

もし勝っていれば保守的に対応します。

いわゆる勝ち逃げですね。



ところが、負けが込んでくると、一か八かのギャンブルに出やすいといえます。

たとえば損失がより大規模な損失の追加に過ぎない場合、各々別々に発生した損失よりも
(心理的な)痛手が少ないため、神経が麻痺してしまうのです。

どつぼにはまりやすいんですね。

その結果として、最終的に、致命的な損失を被るおそれがあるということです。

どうやら私たちは、自分で思うほどには合理的でなさそうです。

ある局面において、人間心理とは、かくも頼りないのが実情のようなのです・・・



(決算書投資術/第4章 投資の心理戦を制する より)


新刊本『決算書投資術』をアマゾンで予約する
http://tinyurl.com/79axc ← クリック!



楽しい投資研究所トップ・ページへ戻る → クリック